工法概要
工法 | 粉末焼結方式 |
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樹脂 | ナイロン粉末 |
積層ピッチ | 0.1mm |
使用装置 | Sinterstation HiQ |
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建築家藤本壮介が設計した「Serpentine Gallery Pavilion 2013」の模型を粉末焼結(ナイロン)造形で製作しました。
2016年3月13日から7月4日までニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催される日本の建築家にフォーカスした特別展「A Japanese Constellation: Toyo Ito, SANAA, and Beyond」はSANAAや伊東豊雄など日本を代表する建築家の模型や図面を紹介し、90年代以降の日本の現代建築の革新を紐解く展示となっています。紹介される建築家の一人である藤本壮介氏による「Serpentine Gallery Pavilion 2013」はイギリスの国立公園、ケンジントン・ガーデンに夏の間だけ出現するサーペンタイン・ギャラリー・パヴィリオンです。サーペンタイン・ギャラリーは毎年世界的に有名な建築家にパヴィリオンのデザインを依頼し、藤本氏は2013年を担当しています。
Serpentine Gallery Pavilion 2013 Photographed by Iwan Baan
何百本もの20ミリ角のスチールパイプを格子状に組み合わせたパヴィリオンは「雲のような」建築物だと評価され、その軽やかさ、繊細さをいかに模型上で再現をするのか、またMoMAまでの輸送も製作上の課題でした。
造形中
造形後の取り出し作業
接着
模型の製作には複雑な形状を得意とする粉末焼結(ナイロン)造形を使用しました。パヴィリオンに使用された20ミリ角のスチールパイプを正確に反映した模型を作りたいというお客さまからの要望に応えるべく、粉末焼結(ナイロン)造形の限界サイズである1mm角に挑戦することで再現を可能としました。全長1メートル近くなる模型のデータを分割した上で造形を行ない、造形後はヒケ・ソリを考慮しながらの接着作業を行っています。接着作業中に起きる欠落箇所の修復、接着材塗布箇所の塗装などは全て手作業で行っています。接着後の模型は土台に取り付けられ、全体を塗装した上で、形状の欠落がないように数千ヶ所の格子を全て確認した上で納品を行っています。



※上記3枚の写真提供:藤本壮介建築設計事務所