砂型3Dプリンターとは、鋳造のための鋳型を作成するための装置です。
通常の砂型鋳造では、砂型製作用の型が必要になるため、イニシャルコストと時間を要しますが、砂型3Dプリンターを使用することによって、少量の鋳物を低コストで製作できるケースがあります。
国内で所有している鋳造メーカーは多くありませんが、従来砂型用の型
工法の概要
この技術は、主にバインダージェッティング方式の3Dプリンターをベースとしており、砂の粉末材料に対して結合剤(バインダー)を噴射することによって凝固させます。これを繰り返して積み重ねることによって立体形状の鋳型を造形します。
砂型3Dプリンターのメリット
・短時間で鋳型が製作可能です。特に多くの型を組み合わせて構成される複雑な製品形状のときに高い効果を発揮します。
・内部に複雑な空洞や流路を持つ形状でも一体で造形することが可能です。
・木型が不要になることで、型の保管コストがゼロにできる他、設計変更にも柔軟に対応することが可能です。
砂型3Dプリンターのデメリット
・材料コストが高く、造形時間が数時間~十数時間かかることから、生産量が多くなったときに良書を生かすことができなくなります。
・装置価格が非常に高く、3Dプリンターの中でも導入障壁が高い製品になります。
主な砂型3Dプリンターメーカー
・ExOne (エクスワン)
ExOne社は、砂型3Dプリンターのリーディングカンパニーであり、ハイエンドな造形品質の3Dプリンターを多数提供しています。主力機であるS-Maxは、W1,800×D1,000×H700
mmの大型ワークを持ち、大型鋳物や少量量産に適した3Dプリンターです。当社ではExOne社のS-Printを導入しています。
・Voxeljet (ヴォクセルジェット)
ドイツのメーカーで、砂型3Dプリンターを製造しています。Voxeljet社は大規模な造形が可能なモデルに強みがあり、自動車や航空機業界でも広く使用されています。同社が提供するVX4000は、W4,000×D2,000×H1,000mmという世界最大のワークサイズを持っています。
・シーメット
日本の3Dプリンターメーカーで、砂型造形を含む幅広い産業向けの3Dプリンティングソリューションを提供しています。シーメット社はSLA方式の光造形機を主力としており、SLAの普及率が高い日本国内において、プロユースの3Dプリンターメーカーとして高い評価を受けています。砂型造形においても特許技術の直交積層方式により、高速での造形とW1,800×D1,000×H750mmの大型ワークが特長です。